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シラバス

GC20101

メディア社会学 Media Sociology

標準履修年次: 2年専門基礎・選択 ・2 単位
春学期AB  火曜日  3・4時限  ユニオン講義室
担当教員: 後藤 嘉宏

概要

社会学の基礎を学び、それにあわせて情報メディアの比重が大きくなった現代社会を見る目を養おうとする授業科目である。

「社会学とは何か」という定義については社会学者の数だけあるといわれるように、社会学はやや輪郭の曖昧な学問分野ではある。しかし、社会学的な物の見方というものについては、研究者のあいだに、ある程度の共通理解がある。この授業では、そのような、社会現象を捉える際の、社会学的な物の見方(方法論・捉え方)を学ぶ。特に図書館やマスメディア、インターネットを文科系的に研究する際、あるいはコンテンツを開発しながら需要を予測する際、アンケート調査やインタビュー調査等を行うことが多いと思われる。そういった調査を行う場合の基本的な考え方、背景にあるものの捉え方をじっくりと学ぶ授業である。

それら社会学的な物の見方の修得を経て、メディア社会といわれる現代社会の根本的な流れを捉えることを目指す。

学習・教育目標

社会学的なものの見方を学ぶことによって、論理的かつ柔軟に社会を見る眼を養おうとするものである。また世の中の動きを斜に構えた視線から眺め、なにものにも騙されない批判精神が身につく。特に、受講生の皆さんが、今後、現代のコミュニケーションやメディア、さらには図書館やネット社会の状況を分析、理解するための一助となるような方法論(「質的調査法」や「社会調査法」等の個々の研究技法の前提となる知識・ものの考え方)が得られる授業を目指したい。 

メディアを文系的な観点も交えながら研究しようとする学生は、本講義を真剣に受講すれば、研究テーマを決定する際の問題設定の仕方が分かるはずである。さらにその問題設定を精緻化する際、あるいはコンテンツ開発に臨んでの社会的需要を予測する際の必要なヒントや思考枠組みが得られるはずである。アンケート調査などの実践的な技術の背景にある思想やものの考え方を知ることで、遠回りをしつつ、少しずつ現代社会の問題を理解し、あるいはこれからの時代の動きを把握し、ひいては粘り強い実践的力を得ることを最終目標としたい。

授業計画

講義内容
第 1 週 1.社会学とは?−その学際性と固有性(1)  −1.1社会学的に理解することで人は何を知ろうとするのか?
第 2 週 1.社会学とは?−その学際性と固有性(2)−1.2行為の意味理解する際の方法は?―集団の分節化との関係で 1.3社会学独自の類型論―理念型
第 3 週 1.社会学とは?−その学際性と固有性(3)−1.4価値自由 1.5社会相互の比較 1.6自明性への疑いの眼差し 1.7社会学固有の概念を用いる 1.8結局、社会学とは?
第 4 週 2.行為の意味理解について−2.1行為と意味−ウェーバーの例 2.2意味とは? 2.3ウェーバーの行為の4類型
第 5 週 3.属性的な理解 3.1属性的な類型論の方法と有効性 3.2メディア社会とアイデンティティの複合化 3.3属性の説明力の低下
第 6 週 4.性別 4.1性の3つの位相 4.2役割期待 4.3メディア社会と役割期待の変化 4.4役割期待の変化とジェンダー 4.5役割期待の変化とセクシャリティ
第 7 週 5.年齢 5.1世代と年代 5.2年齢による意識の差の理由−準拠枠組みの違い 5.3年齢と地位、役割 5.4メディア社会と年齢の説明力の変化
第 8 週 6.学歴 6.1学歴と学校歴 6.2学歴と職業 6.3マスメディアと大衆文化 6.4エリート文化と階層再生産、学歴
第 9 週 7.職業と地位、収入 7.1職業意識 7.2地位 7.3収入 7.4地位の非一貫性 7.5中流意識から格差意識へ 7.6労働力をはじめすべてがデータベースの項目になるような社会
第 10 週 8.メディアと現代社会

教材・参考書等

教科書は使わず,ひたすら板書と口頭説明をする予定である。後藤は板書魔である。 配付資料を http://www.slis.tsukuba.ac.jp/resource/wiki/ にアップするので,それらを各自印刷して授業に臨むことを求めるが,それらもあくまでも参考で、授業の基本は板書である。

参考書は、以下の二点を挙げる。1)森下伸也ほか『パワーアップ版 パラドックスの社会学』(新曜社、1998年)・・・理論・思想としての社会学を知るには最適のテキストブック。2)倉沢進・川本勝編『社会学への招待』(ミネルヴァ書房、1992年)・・・社会調査的な枠組みに適うような、具体的な問題についての説明を左ページでしていて、他方右ページの詳細事項の解説では、それらの理論的背景あるいは逆に具体的な統計データを述べている、理論と実践とが噛み合ったテキストブック。

成績評価

平常点(出席点・質問頻度)と最終レポートないしは最終試験結果を総合して判定する。最終レポートないしは最終試験のいずれにするかは受講生の意向を聞き、なおかつ受講人数を勘案して決める。人数が多ければ試験となる可能性が高まる。レポートの場合、例年複数題(10題以上)から1−2題選択して答える。レポートの評価の観点は、授業内容の適切な要約と、それらへの批判の適切性あるいはそれらを補足したり発展させる説明の独自性をあわせて評価する。試験の場合も例年、概ねその方式に準じて行っている。 なお、「授業外の学習内容・方法」で記した小テストを行う場合、これも評価に加えるが、その加算ないしは考慮の方法は試験前に説明する。

授業外の学習内容・方法

受講生の数、T.A.の有無によるが、単位の実質化に向けて次のようなことを想定・計画している。
1.授業で説明した専門用語の簡単な説明のための小テスト。これは必ずしもペーパーテストの形式に限らず、出欠表で任意に当てた受講生に、答えさせる方式も想定できる。
2.授業の進捗状況によっては、配付資料の一定部分を事前に受講生に読んでおいてもらい、受講生数名ずつグループを組んで貰って、授業時間中あるいは放課後に討論させ、その結果を授業時間内に発表させる時間を用意する。
1.によって、配付資料及び授業内容の毎日の復習が期待される。また2.によって配付資料を予習の際に主体的に読むことが期待される。よって、最低限、配付資料等の予習・復習をきちんと行うことで、上記1.,2.には対応できる。

予備知識・前提条件

特に本科目を受講するに際して、予備知識はいらない。

ただし知識情報・図書館学類の「社会調査法」「質的調査法」「メディア社会文化論」を履修する人にとって、その前提となる科目といえる。

また本科目の前提知識ではないし、本講義で数学的な議論は一切なされないが、「メディア社会学」を将来きちんと学ぶためには、「統計学」「多変量解析」あるいは上記「社会調査法」などを履修して、統計的手法に精通するか、「質的調査法」を履修して、質的調査を熟知しておくことが望まれる。

講義のホームページ

http://www.slis.tsukuba.ac.jp/resource/wiki/ に配付資料をアップする。

ここのページの目的は主に配付資料のアップではあるが、他に、授業に関する連絡に適宜使うこともあるので、授業期間及び試験期間中は注意しておくように。 また、 http://www.slis.tsukuba.ac.jp/~ygoto/class-uploader.htm に過去の図書館情報学群開設科目「社会学」の過去の配付資料、T.A.によるノート、板書の画像等がアップされている。

教員連絡先・オフィスアワー

教員一覧ページ を参照。