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メッセージ

学類長 あいさつ
三末 和男

三末学類長

 情報メディア創成学類は2007年に創設されました。2011年3月に第1期生が卒業して以来、2023年3月までに804名が卒業しています。卒業生のうち約6割は大学院に進学し、それ以外の多くは就職をしています。起業した人もいます。進学先の多くは筑波大学大学院です。就職先は、民間企業では情報・通信系、ネットサービス系、メーカー系、交通系、エンターテインメント系など多岐に渡ります。学校や官公庁などに就職した人も一定数います。定員は、情報メディア創成学類の1学年は50名です。3年次に編入生が加わることから、3、4年次には1学年が60人程度になります。これに対して(2024年2月現在)専任教員は31人在籍していることから、1学年あたりで見ると、学生1.6・人に対して教員が1人という比率の、手厚い指導態勢を提供しています。

 カリキュラムについては、基盤を理工学に置き、基礎となる数学やプログラミングの教育を充実させています。さらに、「ネットワーク(メディア)」と「コンテンツ(情報)」を支える技術に焦点を合わせていることが特徴です。これらを技術という観点でさらに細分化すると、映像メディアや音声メディアを扱う技術、人とコンピュータのインタラクション(対話)を支える技術、ネットワークに新たな価値を創成する技術、ネットワークメディア上で情報をうまく扱う(管理、共有、検索、発見する)技術、デジタルコンテンツを制作・表現する技術、計算処理をより速くより効率的に行う技術、人間を科学的に理解する技術などが含まれます。これらは、それぞれ学類生向けに提供している教育内容であると同時に、教員の研究分野でもあります。これらの分野において最先端の研究に取り組んでいる教員が、教育内容をアップデートしながら授業を行っています。これらの技術分野とは異なる観点で、実践力を鍛えるためにグループワークや実習に重点を置き、産業界で活躍する方々を講師として招いて実施している、「組み込み技術キャンパスOJT」や「enPiT(エンピット)」とよばれる科目なども用意しています。これらの科目を履修することで、それまでに学んだ知識や技術を実際に活用してみるだけでなく、目的のためにさらに必要な知識や技術を能動的に学ぶ、チームを編成してメンバーの知識や技術を効果的に活用するといった活動により、実践力を高めることができます。

 私自身が大学を卒業してから40年が経ちます。過去40年の情報技術の進化は驚異的で、社会の変化を速め、その質を向上させてきました。1980年代からはパソコンの普及が始まり、1990年代にはインターネットの商業利用が拡大しました。2000年代ではスマートフォンやソーシャルメディアの普及が急速に進み、2010年代ではAIやクラウドコンピューティングが台頭しました。2020年代に入ると、COVID-19の影響もあり、リモートワークやデジタルトランスフォーメーションが急速に進みました。さらに各年代の変化の速さを振り返ってみると、だんだんと加速しているように感じます。そして今、さまざまなものが急激に変化しています。今ある仕事がなくなるという暗い話も耳にします。しかしながら、なくなる仕事もあれば、新しく生れる仕事もあるでしょう。今の仕事を効率化できる人もいれば、新たなビジネスを生み出す人もいるでしょう。変化にうまく乗る人/乗り遅れる人のように2極化した区別を好む人もいますが、むしろ、変化を起す/変化に乗る/変化に抗う/変化から距離を置くというような選択肢から、自分自身が意識して進む方向を決めていくことが重要でしょう。そのためには、変化を察知し、その本質を見極める力が必要です。

 大学が変化の外にあるわけではありません。多くの分野でこれまでの教育が意味を成さなくなり、これまでとは違う教育が必要になる可能性があります。今まさにその岐路に立たされているのだと思います。受験を控えた高校生は、そのような状況において進路を選択するという岐路に立っています。最後に選択のためのアドバイスです。情報技術や知識を身につけたい人、情報技術で社会に変化を起したい人、変化に挑戦する仲間をつくりたい人、一つでもあてはまれば情報メディア創成学類への進学をお勧めします。

2024年 4月1日