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インターネットサイエンス

研究分野の説明

 インターネット・携帯電話・IPテレビなど、ネットワークメディアは多様化し、日常生活に深く浸透しています。当分野では、価値観が多様化・流動化する現代社会において、ネットワークに新たな価値を創成する研究を行っています。
 現在のテーマとしては、
 
 (1)インターネット自体の品質・性能・セキュリティを向上させる技術
 (2)通信環境に考慮し、省電力でシームレスな通信を提供する技術
 (3)インターネットに代表される大規模で複雑なネットワークを分析/マイニングする技術
 (4)ノードの故障や攻撃に対して頑健なネットワークを構築するための技術
 (5)ネットワーク分析のための計算幾何学を含む理論的基盤

等があります。

関連する教育内容

「コンピュータネットワーク」では、インターネットのTCP/IPプロトコル、「通信ネットワーク」では、コンピュータネットワークの構築技術、について学習します。各種の実験科目と併せて、ネットワーク技術を確実に学習できます。また、「数式処理システム論」では、数式処理ソフトウェアを用いた代数的計算アルゴリズムと計算幾何学への応用を学ぶことができます。

省電力化のためリンク切り替え方式
▶組織内ネットワークの省電力化のためのリンク切り替え方式 高速な10 Gigabit Ethernetが普及し、企業や大学などの組織内ネットワークなどで使われています。しかし,10 Gigabit Ethernetは,通信をしていないときでも、従来のGigabit Ethernetより電力を多く消費します。そこで、普段はGigabit Ethernetを使い、利用者が増えてきた場合に10 Gigabit Ethernetに切り替えることで、組織内ネットワークの通信の省電力化を目指します。

ネットワークにおけるウィルス拡散の抑止
▶ネットワークにおけるウィルス拡散の抑止 この図は、ネットワークにおけるウィルス拡散のシミュレーションを可視化したものです。黒の円はウィルスに感染したノード、白の円はまだ感染していないノードを表しており、このままではネットワーク全体にウィルスが蔓延してしまいます。このようなウィルス拡散の被害を抑えるための手法を研究しています。

インターネット制御と連携したP2P通信方式
▶計算幾何学の問題への数式処理の応用 井関知辰は「算法発揮」(1690)において、右図のような「円中五射の問題」を解き、“円に内接する五角形の外接円の直径を、各辺の長さで表す方程式”を導くことに成功しました。そこでは、2本の対角線により五角形を3つの三角形に分割し、これらが外接円を共有することから、対角線を表す文字を消去する方法が示されています。
  この方法は、現代数学では「終結式を用いた消去計算」とよばれ、コンピュータを用いた数式処理でも重要なアルゴリズムとなっています。森継研究室では、「円内接八角形の外接円半径公式」を明示的に計算することに世界で初めて成功し(2019)、さらなる関係公式の導出の研究を進めています。

本分野の教員一覧

ネットワークプロトコルの設計と通信システムの性能評価

数式処理のアルゴリズムとその応用